YSP福重 ブログ

NIKEN2018/10/06

10月5日、今日は特別な日です。ずっとこの日が来るのを待ちわびていました。

台風25号の影響を受けるであろう1日前だけあって、外はあいにくの雨。風こそ吹いてはいませんが、ばっちりウエットコンディションです。

今日は世界からの注目を一番集めているであろう全く新しいモーターサイクル ”NIKEN” の説明会&試乗会の日なのです。

ですので、昨夜眠りに着いたのはAM2:00をしばらく回ってからの事でした。 久々の遠足前夜症候群です。

 

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NIKEN といえばヤマハが展開するLMWモーターサイクルのフラッグシップ。

既存のLMWといえばTRICITYですが、その存在と基本構成を踏まえつつ、大きく進化させた機構を採用しています。

”LMWアッカーマンジオメトリー” です。

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LMWとは、リーニングマルチマルチホイール の略。それは、車体の傾きに合わせて傾きながら旋回する、(フロントに)複数の車輪をもち合わせる乗り物の事です。

これはヤマハ独自の機構なんですね。

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LMWアッカーマンジオメトリー これは大きく車両がリーンしても、フロントの左右輪が綺麗に同心円を描いてスムースに旋回するための新しい技術。

裏を返せばTRICITYの場合、旋回時のフロント左右輪の描く弧は、同じ回転半径ではなかったという事。

思い返してみれば、確かにバンク角が深くなるにつれて、旋回フィーリング(フロントの接地感)が変化していたと感じなくもありません。

だからでしょうか、TRICITYはホイルベースがもう少し長かったらより良かったのではないか、と思ったものでした。

私にはリーン角が増した際の、フロント左右輪の舵角相違アンバランスを打ち消す手段として、さらにホイルベースを伸ばして対応しようと発想していたのですね。

しかし、そもそもの原因であるフロント左右輪の描く弧が同一のものとなれば、アンバランスが消えるだけでなく、安定性は二倍かさらに増すという、思い切った機構の開発・採用をヤマハは選択したという事でしょうか。

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モーターサイクルとは何か飛び抜けて優れた点があったとしても、結果として優れたものになるとは限りません。

一番大切なのは、バイクを構成するすべてのパートのバランスなのです。

ですのでこのNIKENも、アッカーマンジオメトリーが絶対的な安定性を生み出したとしても、その他とのトータルバランスが完成していなければその性能は発揮できないと言えます。

まずはエンジン。MT09のエンジンをベースに、NIKENのキャラクターに合わせてしっかり手を入れてありました。

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NIKEN専用にFIセッティングを最適化。

加えてギア比です。一次減速比はそのままですが、ドリブンスプロケットを2T増し、二次減速比を変更。

エンジン回転数の変化に対し、想定以上の速度変化を実現したMT09の乗り味と違い、ライダーがイメージしたままの加速フィーリングを実現。

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さらにクランクシャフトは、クランク慣性モーメントを18%増加。

これも勇気ある決断です。

個人的には低回転時に空冷エンジンの様な粘りを強調するべく、さらにクランク重量を増しても楽しいと思います。

クランク重量増でスポイルされる過渡特性をネガと捉えるならば、それに勝るMT10のエンジンベースで作っても面白そうですね。

いやいや、しかし乗って納得。09エンジンのパワーで充分エモーショナルですよ。

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FIセッティングの変更と相まって、MT09のそれとはとっつき易さに雲泥の差が生じています。

パワーが有るのはよく分かるが、スロットルを開けるに開けれない。

そんなキャラクターのベースエンジンを ”誰でも自分の支配下におけるエンジン” にしっかり調教された。そんな印象です。

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骨格はどうでしょうか。

すべての骨肉を支持するフレームは、そのマシンのキャラクターの印象を決定つける黒子です。

今回採用されたのはハイブリッド構造のフレームです。

高剛性のアルミとしなやかさと剛性を併せ持つロストワックス鋳造鉄を部位ごとの強度・剛性・しなりの要求度に応じて工法と素材を使い分けしています。

配置する箇所・素材だけでなく、その形状に至るまで、スイングアームに至るまで、徹底的にテストされ、比較され、この上ない剛性強度をバランスされてあります。

もしフルアルミフレームを採用していたならば、我々はため息しか出ない整備性と向き合い、ユーザーは対価として多くの諭吉札を上積みする必要があったでしょう。

しかしそれは結果として不要。多方向からプロフェッショナルが最良とした答え。それがこのハイブリッドフレームなのです。

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マスに注目。この巨体ともなれば、前後の重量比はフロントヘビーをなって致し方ないとお考えでしょう。

ところが答えは前後50:50

なんと重量マスは、車体の中心に設定されているのです。

これは重量比からハンドリングに影響するであろうアンダー・オーバーステアリングの原因を帳消しにしましたよ、という事と言えるでしょう。

フロントヘビーとなればリアタイヤの流れ出すポイントが早くなります。

となれば、ステアリングはオーバーステアに傾きます。

これはコーナー脱出時において、エンジンパワーが進行方向からスラスト方向へ移行しますよ、という事につながります。

この構成のシャシですと、どんなにエンジンパワーを上げても、エネルギーはスリップする事に消費されてしまいます。

逆にリアヘビーですと、フロントの接地が弱まります。

リアタイヤを軸に旋回方向でなく、直進方向へのベクトルが強調されますので、コーナー脱出時にスロットルを開けたくてもフロントタイヤのご機嫌を伺いながら、遠慮しなくてはいけません。

だから、減速・加速、ともにニュートラルに車体が存在できるのは、50:50の重量比なんですね。

とはいえ、この先に剛性バランスやサスペンションの質、タイヤグリップ性能が要求される事となるのですが。

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このNIKENの最大バンク角は45°です。またまた、こんな巨体にそんなバンク角は必要ないでしょう?

私はそう思いました。試乗する前の事ですよ。

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なめらかな曲線的なデザイン。燃料タンクはYZF−R1やMT−10SPと同じくアルミ製です。

容量は18L。

ウインカーはLEDタイプで、ジャックミラーにビルトインされています。

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あ、そうそう、フロントタイヤは15インチとかなり特殊な設定です。

4本搭載されたフロントフォークは伸び・圧ともに減衰調整可能です。

ちなみに片側に二本あるサスですが、前側のサスにはスプリングも減衰調整もないそうです。

バイクと同じ機能を持ったサスは左右とも、後ろ側のみでした。

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あと、驚かされたのはタンデム走行時の安定性です。

こればかりは二輪車の比にならない程、との事です。

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まぁ詳細は皆様すでにご存知の通りです。

という事で・・・乗ってみました!

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コースはオートポリスレイクサイドコース。

ご存知のでしょうかこのコース。穴は空いているは路面の継ぎ目には草が生えてるは、そしてお約束のウエットやわ、踏まれたり蹴られたりて感じのオートポリスレイクサイドコースです。

数多くの試乗会が開催されましたが、すべて雨。ウェット。今回も。もう勘弁してくださいって、本音ですよw

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文句有りますが乗りますよ走ります。緊張しながらもコースイン。

ペースメーカー付きですが、さすがに1ラップ目は緊張しますね。

で、ふと気がついたのですが、普通に緊張してるだけなんです。

???

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二輪のマシンで走っている時と比べ、何か特筆すべき違和感が何のです。

車体の操作性も実に軽い。

改めてフロントタイヤのグリップを意識してみると、、、すごい! まるでドライコンディションと遜色ないでは有りませんか!

ストレートエンドのフルブレーキなんか一瞬です。

コーナー出口で恐る恐る、スロットルを二割ましで開けてもフロントタイヤは ”あ、左曲がります。まだ開けてもらって結構ですよ” といった、まるで観光バスですか!といったインフォメーションです。

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実は私、ウエット、得意なんです。

レースやってた時に手に入れたトロフィーはすべてウエット。

さらにこのレイクサイドコースが出来立ての頃に出場したミニバイクレース、2位入賞したレースもウエット。

ウエットの注意点は進入時のバンキングスピードと脱出時のスロットルスピードコントロール。基本的に常時グリップ走行が鉄則なのですが。

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間違いなく今日はウエットコンディション。

コース上には川も流れてます。

しかし全くそれを感じさせません!何なんだ、アカーマン!!

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結局、二週でピットインの試乗を、三回やりました。

深く知るため。より理解するため。さらに試すため。

結局のところ、楽しくてやめられなくて!

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NIKENを試乗される方へ。

ぜひ、長距離・長時間、乗ってください。

これはとにかく乗って試さないと理解不能なマシンです。

何がキーになるかはライダー次第ですが、私がお伝えできるのは一点。

こんなにすべてにおいてニュートラルなマシンはまずない。これに尽きます。

先入観を払拭し、真っさらにNIKENと向き合うには、必ず時間と距離が必要です。

これはNIKENが特別な何かを要求するからではなく、デザインや既知の情報から感性を解き放つために。先入観から脱却するために。

その先に、本当のNIKENの存在が見えてくるはずです。

悩んだら乗る。悩んだら買っちゃう。

どちらも、正解と思います。

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試乗車のご用意を進めております。

完全予約制で承りますが、ご用意にしばらくお時間をいただいております。次の情報をお待ちくださいませ。

ご予約は随時受付中。完全予約生産の車体につき、納期はおよそ3ヶ月でございます。

 

 

 

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